Apple在宅アドバイザーとして1年働いたリアルレビュー

コロナで世の中がMAXに騒ぎ出していたころ、アメリカで在宅勤務の就活をしていました。単刀直入に申し上げると、あのApple。そう、かつてのスティーブ・ジョブズ様のAppleにて運よく就職が決まり、1年間在宅アドバイザーとして働いた素直な感想を忘れないうちに書き留めておこうと思います。日本でも契約社員として在宅アドバイザーのポジションはあるようですが、この記事ではあくまでもアメリカでのApple在宅勤務経験となります。

面接編は違う記事にまとめます。乞うご期待。この記事では、実際の勤務内容、条件、労働環境を書こうと思います。はじめに言っておきますが、私はまるっと1年間働きました。

  • 在宅アドバイザーの勤務内容とは
    在宅アドバイザー(AHA:At Home Advisor)の部署は色々存在するため、勤務内容は部署によって異なります。Apple製品・Appleが提供するサービスに対するサポートが主な業務。在宅アドバイザーと聞くとファンシーな名前ですが、簡単にいえばコールセンター的なお仕事です。
  • 電話対応はあるのか
    バリバリあります。8時間ヘッドセット付けっぱなし。電話はいつかかってくるかわかりません。メールの対応をしている時にでもいつだって急にかかってきます。
  • メール対応はするのか
    電話はいつかかってくるかわからないため、常にヘッドセットをつけて、待っている時間にメールをします。と言ってもメールの数も相当あるため、空き時間に終わらせるという感覚ではない。電話、メール共に違うウィンドウを開きながら同時進行。
  • ノルマはあるのか
    電話の数、メールの数、ぜーんぶデータとして毎日チェックします。チームの平均値も出ますので、サボったら一発でわかるシステム。
  • 勤務は日本語?英語?
    私の所属していた部署は両言語でした。社内のリソースや新しい発表などはほぼほぼ英語だったので、英語は必須条件です。英語の資料を見ながら、電話でその内容を日本語で瞬時にご案内する、というのは日常です。日本語の電話とった後に英語、というのも普通にあります。
  • 休暇はあるのか
    1年目の有給は12日+病気休暇12日。祝日はなし(早いもん勝ちで、部署から数名祝日休める程度)
    コールセンターのため、正月以外の364日開いている・・・。ただ、完全週休二日ではありました
  • 福利厚生
    さすが天下のApple。しかもApple Inc. 勤務となるため、アメリカの会社の中でも福利厚生は非常に条件が良かったです。健康保険は初日からつきますし、扶養家族へのカバーもお手頃価格。医療保険がベラボーに高いアメリカではありがたい会社です。
  • 融通は利きやすいのか
    コールセンターであるため、プロジェクトがあったり、ということはない。ただし、その日の仕事内容はかかってくる電話やメールの内容によって左右される。一日が終わって『きゃープロジェクトの納期間に合わない』という事にはならないため、その点はありがたかった。まさに 8 to 5の仕事と言える。
  • 残業はあるのか
    ほぼほぼない。就業時間1分前に電話がかかってくることもあるため、その場合は2、30分の残業もたまーにある程度。
  • お給料は良いのか
    コールセンターであるため、そこまでお給料が望める仕事ではない。でも、ほかの会社のコールセンターと比べるとお給料・福利厚生の面ではさすが大手である、という印象。
  • 人の入れ替わりは激しいのか
    残業ほぼなし。プロジェクトもない。その日の仕事はその日に終わる。翌日に持ち越すことはない、という条件のため、長く務めている人は非常に多かった。逆に単調な仕事であるため辞めていく人ももちろん多い。そして何よりコールセンターの仕事である=理不尽なカスタマーが多いのも事実。。。
  • どれだけの知識が必要か
    入社後、2週間のみっちりトレーニングがあり、トレーニングの最終日にテストに合格しないとその時点でさようなら。(トレーニング中に去っていく人もいる)
    その後、チームの先輩がついてくれて2週間ほど、ほかの人の電話を聞いたり、自分の電話をずっと聞いてもらい改善点を教えてもらう期間に入る。そして独り立ち。テクノロジーはコロコロ変わるため、社内の資料を常に確認。覚えておくことの必要がある知識は逆に少ない、というか多すぎて絶対覚えられない。そのため、ある情報をいかに早く探してメール・電話の対応に役立てるか、というスキルが必要。
  • 必要なスキル
    英語力、日本語力、理解力、リサーチ力、人間力、忍耐かな
  • 一日の流れ
    メールは最大一日に50件ちょいやったことあるかな。電話は一日5件ほどくらいのボリュームの部署でした。
  • なぜ辞めたのか
    他にやりたいことがあった。コールセンターという性質上、将来性が見込めない。いくら大手であってもスキルを身につけたい気持ちが勝った。コールセンターであるため仕方ないが、通話時間、通話記録を書いている時間、メールを書いている時間、ぜーーーーーんぶシステムによって監視されています。笑 トイレもなかなか行きづらいし、休憩時間ピッタリに戻らないとシステムがそれを見ている。笑 コールセンターであるため、人員を平等に確保するため、休み時間・昼休みは人それぞれ違い、自分で選べない。時間の融通はゼロに等しい。
    将来性への不安、融通のきかなさ、祝日がほぼ休めない、という理由に+他にやりたいことがあった、がメインの理由。
  • 社内での転職
    もちろん社内での転職はある。ただし普通に就活するときと同様、履歴書を送って面接する必要はある。社外からの応募よりは難易度は下がる。ただしやはり大手、、、経験がないと社内転職も難しい
  • 電話対応はきついか
    毎回どんな質問がくるかわからないため、電話がなるとビクッとする。会社が大きすぎて自分の部署以外の仕事内容がわからず転送先がわからないことも良くあった。笑 電話越しで怒られることも多々あったし、こっぴどいレビューを書かれたこともある。きつい、というよりは『この仕事の意味とは』という自分の存在価値がわからなくなり、そういう意味で『きつい』と感じた。
  • カスタマーからのレビュー
    私たちではどうしようもできないことへのレビューが返ってくることもよくあった。悪いレビューが返ってくると、反省・改善点を書いたノートを提出する必要があった。世の中のコールセンターの皆様には頭が上がらない。電話越しでイライラしたり悪い態度なんて一生取らないと心に決めた。
  • 評価
    電話、メールは定期的にチェックされる。電話に関しては録音されているため、細部までフィードバックをされる。
  • 人間関係
    チームの人は、みんなすごく優しくて丁寧。親切でした。やっぱりみんな嫌なカスタマーと接することを経験しているチームだからこそ、チームの人間には優しくなれるんであろう、と悟った。

まとめ
1年間続けられたのは、間違いなく職場の人たちのおかげでした。職場の人間関係のストレスはゼロ。私のストレス要因は、時間の融通のきかなさ、監視、将来性のなさ、他にやりたいことがあったこと、でした。転職先が見つかったタイミングでさりました。恋しいのは人間関係と、サクサク動いてくれる仕事用のiMacそして、Appleの福利厚生、かな。雇ってくれたAppleには感謝しかないですし、これからも精進するのみ!