こんにちは、Japamilyのパソ子です。
前回の記事で、アメリカで医療通訳を目指すきっかけや
そのために踏み出した一歩について書きました。
これから受講するBridge the Gapと呼ばれるMedical Interpreterのための
通学講座についてもチラっと書いています。
今回の記事では、医療知識ゼロの私が医療通訳者を目指す上で
どの順番で医療用語を勉強しているか。についてです。
医療的な知識ゼロから始めて、現在絶賛勉強中です。
解剖学から学べという医療従事者からの言葉
幸い、私の友人には医療従事者が多く
医療知識ゼロの私はどこから勉強し始めればいいのか問い合わせて見たところ
『解剖学から学べ』とのことでした。
解剖学ってナニ?
カエルの解剖せなあかんの?(←グロテスク苦手)
と初めからパニックモードの私でしたが友人が
『解剖学っていうっと敷居たかそうやけど
とりあえず体の仕組みを勉強っていうイメージが解剖学かな』との返答が。
よし!オッケー!
解剖学か!と思いアマゾンで解剖学の本を探して中身をチラ見してみると
『内分泌系の概要、中枢神経、リンパ組織の仕組み・・・』
ワカンネ〜〜〜〜〜!!!!!!!
となるので、要注意です。
そこで家の本棚にあった子供用の絵本が目につきます。
はい、絵本から学び始めるのが医学知識ゼロ組にはピッタリですよ〜。
絵本なんて読んで意味あるのかよ〜と思ったそこのアナタ。
この順番間違えると、つまづいてもうやりたくな〜い
ってちゃぶ台ひっくり返したくなるので
要注意です。
医療知識ゼロ組。
高校以来生物に触れてない組。は
必ず絵本(子ども向け)で体の仕組みを学んでから
大人向けの解剖学の本を手に取らないと、挫折しますヨ。
もともと理系じゃなかったって人は
特にこの順番を守って欲しいです。
(絵本からやれってわけでもないですが、
超入門編から少しずつ難易度を上げて読まないと挫折しちゃうよって話です)
*注意:
私の母国語は日本語です。
以下、紹介する本は全部日本語です。(英日辞書を除き)
日本語で知識を得て、単語を英語で自分で調べて覚えるスタイルで
勉強しています。
1) 読んだ絵本その1:めくってはっけん!からだのふしぎ
これに関しては、わざわざ買う必要はないと思う、一冊です。
全部ひらがなでかいてあって、かなり噛み砕かれた内容の絵本です。
もともと子ども用に買ってあり家にあったものなので、
子どもと一緒に読んでみました。
小児の子どもの通訳をするかもしれないので
かなり噛み砕かれた表現を学べるのは良いかもしれません。
そして、医療知識ゼロ組の私には子どもと絵本を読んで
良いリフレッシャーになりました。
ですが、これは全部ひらがな、ということからもわかるように
わざわざ買うような内容(医療通訳者にとって)ではないかな?と。
2) 読んだ絵本その2:どうなってるの?からだのなか
こちらも、もともと家にあった絵本です。
これは漢字にひらがながうってあり、
専門用語もたくさん。内容もかなりお腹いっぱいになってきます。
読み仮名がうってあるのは医療知識ゼロ組にとっては地味にありがたいです。
初心者向けの超入門編、といったところでしょうか。
絵の割合が多く、めくって詳細が読めるタイプです。
体の仕組みに興味がある小学校高学年向けかな?と思います。
超入門編の基礎知識が頭に入ってくるので
私は役立ちました。
そして、日本語では知っている言葉でも
英語を知らない場合が多く(声帯、横隔膜、三頭筋、球関節、水晶体etc)
日<>英のつながりを作り始める良い機会となった
絵本でございます。
特にお子さんのいらっしゃる方であれば
ムダにならないと思うのでオススメします。
が、こちらは超・入門編なので、
医療通訳を目指している方に対して
買ったほうがいい!とゴリおしするものでもないかな?の位置付けです。
二冊の絵本の比較
今紹介した2冊の絵本の簡単な比較です。
1冊目は、医療通訳者が勉強するために必須ではないものの、
まだひらがなしかわからない
小さなお子様(3~6歳くらいかな)にはピッタリの内容です。
二冊目は、漢字にふりがながふってある内容の絵本ではあるものの
医療知識ゼロ組にとっては、まぁまぁお腹いっぱいになる内容でした。
が、情報量はそこまで多くありません。(だから私の集中力は持ったのかもw)
内容は医療知識ゼロでもまぁまぁ理解できましたが
自分がどれだけ医療用語を両言語で知らないか、
の現実を知れる一冊でした。
医療通訳としてはまだまだ勉強足りませんね、あなた。
に気づかせてくれる一冊。
3) オススメの子ども図鑑:ひとのからだ
さて、絵本の内容を理解した私はもう少し詳しい内容
(だけど挫折したくない程度の詳しさを欲していた)を読みたいなと思っていました。
これも、もともと家にあったものです。
子どもの図鑑です。
もくじはこんな感じです↓
大人向けの医学専門書のように詳しすぎる内容は載っていませんが
図鑑ってだけあって、情報量は先ほど紹介した絵本に比べるとベラボーに多いです。
とは言っても子ども向けなので挫折しない程度に
読めるので重宝しています。
歯についてのページを抜粋してみました。
↓いかがでしょうか。
ある程度の専門用語をカバーしつつわかりやすい内容で
初心者にはちょうど良い情報量ではないでしょうか。
これに関しては図鑑=分厚い本なので
正直なところ、全部読み終えたわけでもありませんが
気が向いた時にボチボチと読んでいます。
内容はいたって簡単。
小学校低学年でも読めるように
簡単な漢字には読み仮名、難しい漢字はひらがなで書いてあります。
医療通訳を目指している方が
医学的な内容を求めて買うまでもなさそうですが
(私はもともと子供用に購入してあった)
入門編に読んでいる本なので書き留めておきます。
4) 子どものための医学:人体のふしぎな話
これは、医療通訳を目指すと決めてから購入したものです。
絵本・図鑑を大体読んだ後、
次に読む本は、”子どものための医学書的”存在を探していました。
そこで見つけたのは人体のふしぎな話という本。
図鑑のような分厚さがあってドッシリ重たい本です。
日本のAmazonから海外発送で、なんとアメリカへ3日で到着するという衝撃。
(これともう1冊の合計2冊で、送料は1300円でした)
凄まじい分厚さなので、まだ読み終えていませんが気に入っているポイントを挙げると:
– 365日季節に応じた内容の人体に関する話が1日1ストーリーの読み切りで
空き時間にパっと読みやすい。
– 子ども向けとはいえ、医学部で教える解剖学の教授が書いているので、内容はかなり本格的で信用できる。
– 意外と、専門用語が多く出てくる。
– 読んだ日を記入できるところが各ページにある(地味に便利)
この本でカバーされる12のジャンルは
食べる・消化のふしぎ、成長のふしぎ、心臓と血液のふしぎ、脳と心のふしぎ、目・鼻・耳のふしぎ、健康と病気のふしぎ、呼吸のふしぎ、手足のふしぎ、骨と筋肉のふしぎ、感覚・神経のふしぎ、皮ふのふしぎ、医学を進歩させた人の伝記です。
凄まじく幅の広いジャンルを
1日1ストーリーごとに読めるので、
続けやすいかな、と思います。
先ほど上で紹介した絵本たちは、もともと手元にあったものなので読みましたが、
医学知識ゼロで医療通訳をこれから目指すかたは
この人体のふしぎな話を入門編の1冊目として購入するのもアリかなと思う位置付け・ボリュームの意外と本格的な本です。
試しに1ストーリー抜粋します↑
『どうして子どもは親ににるの?』という題材が2ページぶん書かれています。
さて、この中に出てくる医療用語を抜粋してみると
– 細胞
– 遺伝情報
– 受精卵
– 染色体
– DNA
– デオキシリボ核酸
– 二重らせん構造
– 塩基
– 細胞分裂
2ページ読んで、簡単な仕組みが理解できた上に、
これだけの用語(用語は自分で訳を見つける必要ありですが)を学べるって、
結構効率よくないですか?
まだまだ細々と読んでいる段階ですが
かーなーりオススメです。
5) 大人向けのの参考書:人体解剖図
散々子ども向けの参考書を紹介した後に、
やっと登場しました!大人向けの参考書です。
帯を見ると、『医療関係者大絶賛!』『多くの医学部、看護学校で教科書として採用』と書かれています。
教科書として使われているということもあり、
ほんの最後には、自分で書き込める図がいくつかあったのも
嬉しいポイントでした。(これ以外はオールカラーなのでご安心を)
こちらの本、まだ手をつけておりません。笑
なぜなら、一つ上で紹介した人体のふしぎな話の本を読んでいる途中だからです。人体のふしぎな話を読み終えたら、こちらを読むつもりで購入しました。
注目して欲しいのは人体のふしぎな話とこの人体解剖図は著者が同じです。(医学部で解剖学を教える教授: 坂井建雄さんです)
なので、子ども向けの医学書を読んでから、こちらを読むつもりで買いました。
目次を見ても、複雑さがわかっていただけるかと思います。
↓こちらは神経伝達のしくみが書かれたページです。
子ども向けよりも、もちろん漢字の割合が多いものの
図を使った解説が多く、そしてなんと
大人向けの参考書なのに漢字には読み仮名がふられています。
これはありがたすぎる。
人体のふしぎな話365と人体解剖図の二刀流でほぼいける
おすすめ本は挙げだしたらきりがないのですが・・・。
もし、『何冊も買っても全部読めないよ〜』という方は
(私もそっち派ですが、今回はたまたま子どもように買ってあった、という立場なので)
人体のふしぎな話365と人体解剖図の二刀流で、ほぼほぼカバーできると思います。
実例を使って私の勉強法をシェアしますね。
↓下の写真:
上が人体のふしぎな話365
下が人体解剖図
ステップ1:
私はまず、人体のふしぎな話365の読み切りストーリーを読みます。
浅くかみくだかれた内容を理解していきます。
ステップ2:
人体のふしぎな話365のストーリーの中に出てくる
不明な医療用語訳をwikipediaや辞書を使って探す。
ステップ3:
一連の浅い知識と主な医療用語訳がわかったところで
人体解剖図の中から同じような内容のページを探して
もう少し深い知識とさらに掘り下げられた専門用語をチェック。
*この時、専門的すぎる用語の訳を全て探そうとするのは
していません。
あくまでも、今の段階では広く浅い知識をつけるのが目的なので
人体のふしぎな話365に出てくる専門用語が両言語で訳せるように
勉強しています。
人体のふしぎな話と人体解剖図を日本のアマゾンから購入して海外発送
人体のふしぎな話と人体解剖図を
日本のAmazonより購入し、そのままアメリカへ発送していただきました。
内訳を見ていただくとわかるように、
人体のふしぎな話 ¥2500
人体解剖図 ¥1900
日本からアメリカへの送料は¥1300でした。
な、なんと8/13日に購入し、
8/15日は手元に届いておりました。
日本ではお盆シーズンなのに、早すぎる到着に
びっくりしすぎでした。
二冊の送料、しかも3日で届くなんて
¥1300の送料を、私は正直安いな〜と感じました。
医学知識ゼロの医療通訳を目指す人には
すごくオススメの挫折しないための超入門編と、本格的な参考書の二冊です。
5) 医療通訳者のための医療用語辞書
こちらはアメリカのアマゾンでまず英日辞典を購入しました。
Kibler’s Medical Terms for Interpreters: English to Japanese
アメリカで医療通訳者を目指しておられる方は、Amazonでチェックしてみてください。
言葉の意味は載っておらず、本当に用語だけが変換されている辞書です。
私が購入したのは英日辞典ですが、
まず医学的内容を日本語で学習中なので
日英辞典の購入が必要だと感じています。
Kibler’s Medical Terms for Interpreters: Japanese to English
アメリカのアマゾンではこのチョイスしかなかったのでこちらを購入しました。
アルファベット順にずら〜と並んでいるのではなく
カテゴリー別にされた中でアルファベット順になっているのが特徴。
それにより、例えば産婦人科の通訳をするのであれば
産婦人科のカテゴリーの用語ページを開けて、その中で
産婦人科用語がアルファベット順に並んでいる、ということになるので
実戦では便利になってくるかな?と感じでいます。
まとめ
以上が私が実費で購入した医療通訳の勉強本です。
中には、もともと子どものために購入していたものもあります。
なんども言いますが、大事なのは医療用語に挫折をしないような順番に
学習を進めるということです。
もし、私がその助言を守らず、坂井建雄先生の人体解剖図から読み始めていたとすれば、間違いなく挫折していました。
こんなの読めねー!
だから理系に進まなかったのにー!と
イライラして、勉強をやめていた恐れすらあります。
子ども用の本なんて、意味あるの?と思うかもしれませんが
自分で英語・日本語(または他の外国語)が繋げられるようになるのが通訳の役目です。医療の専門家になろうとしているわけではありません。
一連の体の仕組み(医療に関連する流れ)を頭に入れた上で
医療用語を頭に入れるのと
ただ単に単語を暗記するのとでは、記憶の質に差が出ます。
それを楽しく無理なく続けるには、入門編から少しずつレベルアップさせて
体の仕組みを勉強することをお勧めします。
(といっても、私はまだまだ勉強中ですが)
一緒に頑張りましょう!